アイザワ・オフィス(Ffarquhar)

 フルスクラッチで模型を組みやすいものと言えば、建物ですが、ただ単に箱モノを組めばいいのではなく、自分のイメージする建物となるとハードルがそれなりにあがります。

 さらにほかの人に「ああ、それそれ」と言われるようになるのには、単純に採寸を取ればいいというものではなく、適度なデフォルメやきれいな塗装も必要となります。そのため、作品には作者のとらえているところと再現性が色濃く反映されます。それゆえフルスクラッチで人に納得させる作品を作るのはとても難しいです。

 今回のテーマは「Ffarquhar」(ファーカー)駅です。名前を聞いて「はて?」と思った方も、「きかんしゃトーマス」のオープニングの駅と言へば分かると思ひます。(その前にFを二つ重ねるのでどう発音するのが正しいのか分かりませんが、書籍等で「ファーカー」と記されているのでそのように解します)

 相澤さん渾身の作品だと思いますが皆さんいかが思いますか。

煉瓦の目地の感じがとても良く出ています。適度にウォッシングやウェザーリングが施されています。特にプラットホームの煉瓦は機関車から出る水蒸気や土汚れ、などが付着する為、結構しつこいぐらいにウェザーリングやウォッシング、ドライブラシを施した方が余計にそれらしく見えます。
このホームにトーマスが滑り込んできたら、本物と見間違えてしまうのではないかと思うくらいよく出来ています。
駅舎に掲示板があり、たくさんの英国のポスターと思しき広告が貼られています。
よく見ると煙突の先端が丸くなっています。こういった細かなところを再現するのは簡単なようで気が付かないものです。屋根全体が土汚れで粉が乗っているように表現されています。実際にトーマスのテレビの人形劇の仕様はこのやうになっています。
普段から細かなところに気を付けて見ていないとなかなか再現できません。

 キャラクター作品を作る方は結構いらっしゃいますが、その脇役である駅舎を作られる方は数がぐっと減ります。

確かに駅舎は脇役ではありますが、主役を引き立たせるためにはとても大切な要素です。脇役にもちゃんとスポットライトを当てるのはとても大切な事です。先日、相澤さんのジオラマ作品を見せて頂きましたが、どれもこれもきちんと主人公のキャラクター同様に、ストラクチャーにもきちんと焦点を当てています。

 皆さんも、このようなストラクチャーを参考になさって作品を作ってみると、意外な自分の側面が発見できるとか、できないとか。

関連記事一覧