ジオラマ教室 11月の巻き

 この日は皆さんは新たに色々な作品作りに挑まれています。いままで作られていたのはどうされたのでしょうか。「私の作品で出ています」を参考にしてみてください。

 後ろに建物が寝転んでいるのが、S君で港の一部を再現されたいそうなので、際にボラードがあるとそれらしくなりますが、この日は色々と港脇のヒントを模索している様でした。
 手前の線路二本と石膏と漁船と思しき国籍不明船舶の作品がIさんです。この船舶は座礁していますが、大丈夫でしょうか。もしかしてこの船は、、、。あえて様々な憶測が飛び交うような作品を狙っているのでせうか。
クリスマスツリーを持っているNさんですが、横に置いてある鋸は一体何に使うのであらうか、、、。
 下地の厚さのあるスタイロフォームを切る時は、カッターの刃に十分気を付けないと危ないですので、何回かに分けて切った方が、安全です。ただしゴミは出ます。スタイロを丸くしている様なのでそういったジオラマを考えていらっしゃるのであらうか。なにが出来るのか楽しみである反面、今迄のはどうなるのであらうか。
 Oさんの作品はIORI工房のキットで、確かに明治の客車は英国から輸入されていたので、広義の英国型です。最近はレーザーカッターなのでペーパーキットでもよく出来ています。わたくし三木も好んでIORI工房のキットを作っています。
これからどのような作品になるのか楽しみです。

 今回、よく進んだのはSさんです。作品はZゲージです。「急に寒くなって冬になったから」と雪景色に挑戦されていました。特にこの時期は参考になる番組など放送されていたり、寒いがゆえに気分が乗ったりと作品にいい影響を与えます。Sさん曰く「どういう訳かクリスマスの時期になると雪の作品に興味が出て、不思議と年が明けると冷めちゃう」と仰っていたのが、印象的でした。確かに真夏の36度前後の気温の時に雪を見ても臨場感は出ません。

 諸星先生曰く「新雪の場合、ふわっとした感じするとそれらしく見える」と仰っていて、数多くのノウハウをSさんに仰っていました。その一つが「薄く溶いた石膏」です。濃いとダマになってしまい新雪の感じが出ません。鋭角の屋根の雪は落ち、鈍角の屋根の雪はふわっとしていて屋根の下部にたまる感じ、そして建物の屋根の下に雪が落ちている表現をされています。Sさんはよくこういった風景を観察されています。こうするちょっとしたことに気が付いて再現していく事でリアリティーが生まれて、臨場感が出て写真のように寒々しい風景を再現できます。
 建物と樹木の雪の表現はまだですが周りの景色は寒そうです。特に川の感じが寒そうです。寒い時の水はこういう色です。薄く溶いた石膏が水面にありますが、岩の上に乗っかったりするので修正程度で水の上につや出しの為のメディウムを塗ればかなりいい出来になると思います。
 わたくし三木が気に入ったのは屋根の上のVHFのアンテナです。という事はアナログ放送の時代か、地デジが映らないのでテレビを観ないもしくはケーブルテレビのお宅かが再現できます。アンテナなどの小物があるとそれだけで色々な事が再現できるので、ストラクチャーとアクセサリーの組み合わせは大切です。
「広場の木の雪の感じが軽く吹雪いた感じがしていいですね」というと、Sさんが「これはありものを置いただけ」って、ガクッ!ガラス電車の下の鉄橋と枕木の雪の付き方が自然な感じです。
 今回は大まかに雪を再現していますが、これから細かな雪の表現をおこなうようです。岩の上部は雪が乗りますが、側面の下を向いている面には雪は乗らない、そういったところの表現がこれから中心になっていくのだろうなと思ひます。この写真を見る限り、氷点下以下の温度に見えますが、実際作業をしている部屋は二十度くらいの暖かい部屋です。今回のSさんの作品は”温度も見せている”そんな作品です。

関連記事一覧