景色に溶け込ませる小技

 今回はいつもと趣向を変えて、情景模型の中にいかにすればストラクチャーを溶け込ませることが出来るのかという事に主眼を置いてお話したいと思ひます。模型である以上どうしても対象物が小さくなってしまい、光の加減などで影が出来づらくのっぺりとしてしまい、せっかく作品でエッジを際立たせたとしても光の具合でどうしても小さな模型の宿命であるが故、のっぺりしてしまう事は避けて通れません。

 そこで大切なのは、「いかにすれば本物の様に見せる事が出来るのか」という事です。一言でいうと「模型にお化粧をする事」です。と言ってもあくまで模型の存在感を際立たせるための効果なので、今回はそこに焦点を当てていきます。

 技としてはドライブラシとウォッシングこの二つの技を状況に応じて自在に使いこなせることが出来ればかなり効果的です。

1、ドライブラシ

 ドライブラシは毛足の短い筆(慣れてくると長くても問題ありません)を使います。アクリル絵の具を筆の先端に付け、ほとんどついているのかどうかわからなくなるまでキッチンペーパー等で拭きとり、かすかに色をつける技法です。インターネット等で「ドライブラシ」と検索すればやり方等を簡単に見つける事が出来ます。

 建物等のエッジを際立たせるには建物の角にドライブラシをかけるとその部分が強調されてよく見える様になります。良く見える様にするには建物に使われている色よりも割と明るめの色を使います。下の写真のようですと明るめの灰色を使いドライブラシを行うと建物の角が強調されて存在感が増します。

 あくまで一例ですが建物の建材の角が白っぽい色で強調されているのがお分かりいただけたでしょうか。

おそらくドライブラシの要領で汚しも行っている様なのでそれも併せて注目してみてください。

例:ウェザーリング

 建物をジオラマの景色に組み込むときに新品(新築)のままでも良いのですが、新築ばかりの町並みは無いわけではないですが、雨風にさらされて、雨だれや土埃、泥はね等が建物に施されていると、景色と建物が一体に見え自然な印象を受けます。ドライブラシによるヨゴシの表現です。

スレート屋根が雨だれ等で汚れています。

2,ウォッシング

 色水に近いかなり薄めた塗料を建物に塗りそれを軽く目地や塗装面に残し陰影をつける方法で、陰影の協調やヨゴシ、その他いろいろな事に使えます。主にタミヤのエナメルをかなり薄めに溶いて模型の凹凸面に浸透させて残すといった感じです。

実際施すと

屋根の瓦の陰影がまさにそうで、黒っぽくなっているところです。この様にすることにより建物の陰影が際立ちジオラマの中に臨場感が生まれます。あと苔の表現も慣れてくれば出来るようになります。
色々な技を使えるようになるとガチャポンの風車が塗装でリアルに見せる事が出来ようになります。

いろいろと技を駆使してリアルに模型を彩ってみるとさらに深みが増します。

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